トピックス

発熱外来について①

掲載日:2020.06.15

こんにちは。
今日は院長から2回に分けて当院の発熱外来についてお伝えしますね。

当院の発熱外来

すでにメディア(テレビ・新聞)などで報道されている通り、当院ではゾーニング(感染対策の区域分け)を厳密に行い、発熱の疑いのある患者さんについては屋外テントに待合兼診察エリアを設けて診察しています。
体調が悪い中、テントでお待たせするのは大変申し訳なく、心苦しいのですが他の患者さんとの感染を防ぐため御理解をお願い致します。

どうして発熱外来をしているのですか?

一般の皆さんからは信じられない事かも知れませんが、医療の中で感染症領域が外科・内科・小児科から「胃腸科・呼吸器科」などの専門領域として日本で確立してきたのはこの20年ほどです。ですから一般の病院やクリニックでは最初から感染対策を考えた所は少ないのです。従来の病院待合室ではインフルエンザも水ぼうそうも普通の患者さんの直ぐ側にいるような環境です。これでは感染リスクを下げることはできません。それが新型コロナ感染で医療機関の大きな弱点になったのは御存知の通りです。
当院では救急や災害医療の経験があり、外国人の多いニセコで勤務していた院長が「外国人観光客の多い千歳市でも輸入感染症のアウトブレイク(集団発生)は必ず起きる」と予想していました。設計段階からゾーニングの概念を取り入れ、オープン前から職員に感染症に対する研修を繰り返し行って準備してきました。
オープンに前後して奇しくも新型コロナが世界的流行になり、病院や高齢者施設で集団感染が発生する状況になりました。千歳市内でも多くの医療機関が閉鎖したり、発熱のため従来の通院先で診療してもらえない患者さんが大量に出現しました。そのため、院長は医師会と協議して当院で発熱外来を行う事を決断しました。
他の一般クリニックや病院には新型コロナに関わらず感染に弱い患者さんも沢山かかられています。しかしながら、それらの患者さんを守るための感染防御が構造的にできないのです。当面は感染防御の高い当院で発熱患者さんを引き受け、他の医療機関での感染リスクを減らす事は「市民を守る地域のインフラ」としての当院の使命だと考えています。

発熱外来をしている診療所は「安全」なのですか?

「他の医療機関以上の安全対策をした、千歳市で最も感染防御力の高い診療所」を目指して対策しています。一般の患者さんも安心して受診していただけます。

当院でのゾーニング

 

①多重防御:パッシブディフェンスとアクティブディフェンス

感染症対策の基本は「感染リスクの高い状況から離す事」です。
建物の中で医療者が防護具を着て診察する事をパッシプディフェンス(受け身の防護)と言います。医療者側のリスクを下げられても、感染源が建物内に入り込むためリスクは残ります。
一般の多くのクリニックや病院では建物の構造上このパッシブディフェンスしか取れないところが多いのです。

それに対してアクティブディフェンス(攻めの防御)は感染者とその他を完全に分けて防ぐ方法です。今回の新型コロナのような大規模流行では建物外部での診察を行い、内部の感染の可能性を防ぎます。これをゾーニング(区域分け)と言います。パッシブディフェンスに比べ防御はより強固になります。いわば戦国時代の城のように「城門のまえに出城を築いて」本丸を守る作戦です。
当院では開院当初から準備を始め、5月から院外でのテントを設置しました。また防護具も整備し医療者の感染も防いでいます。
このように他の医療機関に比べて二重の防御体制をしっかり取れるため、発熱外来を行うことができています。

②当院のシステムで接触による感染リスクを極力減らしています。
  • 来院前にホームページからスマホやパソコンで予約と問診が済ませられテント内の待ち時間を短くできます。
  • 天気が悪い時には駐車場の車の中でお待ちいただけます。
  • テント内の待合では距離を取ってお待ちいただきます。
  • ごく軽症の場合はオンライン診療もご利用いただけます。
  • 診察・会計・お薬受け渡しは出窓から行います。
  • 会計は現金で受け取り院内の自動会計機で行います。
③院内でも感染対策を行っています。
  • 院内に入る患者さんにも検温しています。
  • 次亜塩素酸やアルコールで院内の清拭をしっかりしています。
  • 各所に空気清浄機を設置し、病原体をまといやすいホコリを除去しています。
  • 院内換気につとめています。
  • 職員全員に新型コロナを含めて感染症の研修を行っています。

発熱外来で検査をしてもらえるのですか?

  1. 患者さんの症状に応じて必要と考えられる場合に各種検査を行っています。
  2. PCR検査は①新型コロナを疑う複数の症状があり、かつ②重症化のリスクがある場合や③医療機関や高齢者施設関係者などのクラスター発生の恐れのある場合に行うべき検査です。
  3. 軽症であれば治療方針は対症療法で自宅療養です。PCR検査を受けても治療方針は変わりません。
  4. 職場や学校担当者が免罪符的に患者さんにPCR検査を強要する事のない様にお願いいたします。

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